人間失格(太宰治著)からわかる時代の波音とは?

人間失格(太宰治著)からわかる時代の波音とは?

今日は1日読書をしています。学生時代には小説が好きでボロボロになるまで読んだ太宰治の「人間失格」を読みながら
昭和初期の「人間失格」と、近代の「人間失格」の考察もしてみます。そこからわかる平成の「人間失格」の人達とは?

~人間失格(太宰治著)からわかる時代の波~

「めしを食べなければ死ぬ」人間はめしを食べなければ死ぬから、そのために働いて、めしをたべねばならぬという言葉は自分にとっては難解で、、脅迫めいた響きを感じさせる。
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つまり自分には人間の営みというものがいまだ何もわかっていない、自分の幸福の観念と世のすべての人たちの幸福の観念とがまるで食い違っているような不安、自分はいったい幸福なのでしょうか?自分はその不安のために発狂しかけたことさえあります。
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エゴイストになりきって、しかもしれを当然のことと確信し、自分を疑ったことがないじゃないか?それなら楽だ。
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しかしその人間が本性を隠しているその方が恐ろしい、髪がさかだつほどの戦慄を覚えている、、、所詮人間に訴えるのは無駄である、
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夜明がた、女の口から「死」という言葉がはっきりでて、また自分も生きていけそうもなく、その人の提案に気軽に同意しました。その夜、自分達は鎌倉の海に飛び込みました。女の人は死にました。自分だけ助かりました。・・自分は自分の腕にモルヒネを注射しました。
今はもう罪人ではなく狂人でした。いいえ、断じて自分は狂ってなどいなかったのです。神に問う、無抵抗は罪なりや?
人間失格、もはや自分は完全に人間でなくなりました。」

シルバーあさみの心眼コメント

太宰治は明治42年青森県に生まれました。彼の父は多額納税者として貴族院の議員でありました。「私は貧乏で3銭しかなくて、下世話な娘に笑われた」というような箇所があるのが太宰文学の秘密をを解く鍵になるのではないでしょうか。貧しい農民や父親の古参にいつも見られている眼をこちらが見ている眼の表現がとても興味深くのめり込んでしまいます。
皆、嘘をついていきている、それに気づかずにできることが幸せなのか?この感性をもっている太宰治は入水自殺、酒におぼれ、ひいてはモルヒネをうって麻薬中毒で入院生活になりますが、その病院での人間観察も面白いので読んでみましょう。正確には面白いというか、自分を介抱してくれる人間の介抱をしているかのような、中学3年から小説をかきはじめて、高校生の時に何度も時代の変革と疑問に葛藤をして死と向き合い、東京帝国大学在学中、左翼運動にかかわり仲間の死を多々みたという、「走れメロス」「斜陽」など優れた作品の作家として地位を築くが昭和23年玉川上水で入水自殺をしました。感性が繊細な正直な人が「人間失格」となる、今の時代と重なります。時代の変革に太宰文学にふれる時間をぜひもちましょう。

太宰治著(斜陽、人間失格、走れメロスが読める)